今どきのマイホーム事情|スマートハウスってどんな家?
2025年4月より新築住宅に「省エネ基準適合」が義務化されることが決定。 そこで、知っているようで知らない省エネ住宅・スマートホームの定義やメリットなどについてご紹介します。
スマートハウスで エネルギーを賢く使う
スマートハウスとは、ITを用いてエネルギーを賢く(=スマートに)使う住宅のことです。太陽光発電でつくった電気を蓄電池にためたり、HEMS(下記参照)でエネルギーの使い方をモニタリングして冷暖房や給湯器を効率よく使ったりすることで、省エネ性と快適性を両立します。
これからのマイホームは 「省エネ」が必須!
今でも住宅の省エネ化は重要課題ですが、今後は「省エネ住宅が当たり前」の時代を迎えます。2025年度からはすべての住宅で「省エネ基準」の適合が義務化され、一定の基準に達した家しか建てられなくなります。2030年度にはさらに厳しい「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準」も義務化される予定です。
スマートハウスに必要な3つの設備
HEMS (Home Energy Management System)
電気やガスを効率よく使うのに役立つのが、家庭内のエネルギーを“見える化”するHEMSです。太陽光発電でどのくらい電気をつくり、蓄電池にどのくらいためて、給湯器やエアコンでいつどのくらい消費しているのかなど、数値で確認できるようになります。その情報に基づき、各設備を自動制御する商品もあります。
蓄電池
太陽光発電には電気をためる機能はないため、その場で消費しなければせっかくつくった電気が失われてしまいます。好きな時間に使うためには、電気をためておく蓄電池が必要です。使い切りの乾電池は一度しか使えませんが、蓄電池はスマホのバッテリーのように充電・放電を何度も繰り返すことができます。
太陽光発電システム
住まいで電気を自給自足するのに欠かせないのが太陽光発電。屋根などに設置したソーラーパネルに太陽光があたると発電し、パワーコンディショナーを用いて家庭で使える電気へと変換します。つくりだした電気は家の中でエアコンや家電を動かすのに使い、余ったら電力会社に売ることもできる仕組みです。
\知っておくべき/ スマートハウスのメリット&デメリット
\メリット/●電気代が節約できる
電気をなるべく自給自足し、HEMSでエネルギー消費量を“見える化”してムダづかいを防ぐことで、節電・節約につながります。電気代の値上がりに左右されずに暮らせるのは大きなメリットです。
●災害への備えになる
太陽光発電と蓄電池があれば、大きな災害や計画停電の時でも、家電がある程度使えます。小さな子どもや高齢者、ペットがいるご家庭など、避難所での生活が難しい場合は特におすすめです。
●地球にやさしい
太陽光というクリーンエネルギーを効率よく使うことでCO²を削減。エアコンを我慢して、家電はこまめにオフ……と過剰に意識しなくても、未来の子どもたちに豊かな環境を引き継ぐことにつながります。
\デメリット/●初期費用がかかる
各設備の初期費用は年々下がっていますが、どうしてもまとまった費用がかかります。お住まいの地域や時期によっては補助金制度が用意されていることもあるので、ぜひ活用しましょう。
●発電量が不安定
太陽光発電は、梅雨や冬には発電量が下がるもの。特に豪雪地域など、日照時間が短い地域にお住まいの場合、注意が必要です。しっかりと年間収支をシミュレーションして導入の判断をしましょう。
●設備選びに知識が必要
基本設備のほか、スマホからお風呂の湯張りができる商品や、電気の使用サイクルを学習して最適化するAI搭載型HEMSなど便利な設備が多数あります。知識を持った会社に相談し、予算に合わせて選びましょう。
CHECK スマートホーム、ZEH住宅との違いは?
【スマートホーム】
ITを利用した賢い(=スマートな)機器を使って、便利に暮らせる住まい。外出先からスマホでエアコンをオンオフする、声で家電を動かすなど、省エネに限らず便利な機能を備えています。
POINT
今ある家電や設備をスマホやスマートスピーカーにつないで、スマートホーム化することもできます。
【ZEH住宅】
家庭内のエネルギー消費量から発電量を引いた値が「ゼロ以下」になる、省エネな住まい。家全体の断熱化と省エネ設備で消費エネルギーを減らし、残りを太陽光発電で生み出します。
POINT
スマートハウスとは違い、ZEH住宅を建てるのに蓄電池やHEMSは必須条件ではありません。
教えてくれたのは
住宅ライター事務所イエコト代表
村田日菜子さん
建築学科を卒業後、住宅専門のライターとして開業し、住宅ライター事務所「イエコト」を設立。家づくりやリフォームに関するコラムの執筆、工務店・ハウスメーカーの集客サポート等を行う。
いかがでしたか?参考になりましたか?
他の関連記事はコチラ↓↓